Association des Laureats du Futsuken Ikkyu

合格体験記

Abel さん (2013年9月寄稿)

合格体験記

仏検1級合格のための独学法

 現在,公立中学校に勤務しながら,フランス語学習を継続しております。  勤務校での日々の生徒指導に取り組みながら,留学経験もない一数学科教諭が,「ごく限られた時間の中で仏検1級に合格するための方法とは何か?」という問題に対する解答を徹底的に追求して参りました。  高校入学と同時にNHKラジオのフランス語講座入門編からフランス語の独学を開始し,今年の4月で25年が経過しました。  4級から準1級までそれぞれ1回での仏検合格経験をもとに,試行錯誤を繰り返し,以下に述べる方法に到達できました。  準1級から1級へのギャップを埋めることが最も困難でしたが,5回目の挑戦で無事(?)仏検1級に合格できました。  様々な方法論のうち,以下,受検に対する心構え,推奨する教材,挫折しないための対策,という最も重要と思われる3点について,順に具体的に申し上げます。

1) 答案作成時,「これが最善策だ!」という自信を得るための学習法とは?
 仏検に限らないでしょうが,受検回数に制限のない資格試験は,受検し続けることが必要だと思います。  勿論年度によっては準備不足という事態に陥り,痛い目に遭うこともあるでしょう。  自身も,幾度となく痛い目に遭っております。  しかし,実際に受けた受検生だからこそ,「ここはできた!」「でも,あの点が弱かった…」といった具合に,試験会場での自分の実力がハッキリとわかるものです。  そして,受け続けるという姿勢が,日々の継続した学習を可能とし,「読み,書き,聞き,話す」というフランス語運用能力の基礎を確実に固めてくれます。  その基礎を駆使して過去問等を解いていくと,「これでいいのかな…」という不安が「(その問題を解くために考えられるあらゆる場合を想定しても)これで大丈夫! これが最善策だ!」という自信に,少しずつではありますが,確実に変わります。

2) 最小限の費用で最大の効果を上げるための教材とは?
 NHKのテレビ講座の中上級者向けコーナーをHDDレコーダーに録画し,繰り返し見て話すことが非常に安価で,かつ非常に効果的な方法だと思います。  「自分が面接官なら,どのように質問するか?」  「自分が受検生なら,どのように返答するか?」  この2点を常に意識しながら,フランス人の説明を聞き,話す練習を重ねました。  落語家の問答のように,一人二役を演じることがコツだと思います。  双方の役を交互に演じながら,「超大声で」ハッキリと述べる訓練は,筆記,エクスポゼ,双方の実力養成に「超有効」です。  勿論,疑問点が生じたら,その都度,市販の仏和,仏仏等で納得できるまで徹底的に調べました。

3) 挫折しそうになったときの対応策とは?
 受検準備は,常に順調に進むとは限りません。  100%不安を払拭することは困難ですが,不安に襲われた際の解決方法も可能な限り用意しておくと,不安が増大することを未然に防げるように思います。  ごく平凡な方法ですが,「なぜフランス語を学習するのか?」という点を明確に確認し続けることが最大のポイントではないでしょうか?  自身にも経験があることですが,ここがぐらつくと,教材の1ページをめくることさえ億劫になったり,「今度の受検で合格するかな?」という不安に苛まれたりします。  そこで,私は,以下の2点を実行しました。  第1点は,フランス語学習入門時を思い出すことです。  受検準備で挫折しそうになったときは,フランス語学習1年生時代の頃を繰り返し頭の中でイメージしました。  NHKのラジオ講座入門編で学習していた頃,やっとの思いで覚えた表現が,たまたま街中で会ったフランス人に通じた日々のことは今でも忘れられません。  大学生時代及び新米教員時代という2回のパリ旅行のときには,それぞれ約1週間という短期間の滞在中に,日本国内にいるときより遥かに多くの感動的な体験をしました。  特に,学生時代,パリで購入したルイヴィトンのベルトを,現在,出勤時に締める度に,そのときの女性店員さんとの拙い会話を思い出します(冷や汗!)。夕方,お店が貸し切り状態になるまでよくもまあ会話が続いたものだと呆れています(笑)。  「あ! 通じた!」という感動は,いついかなるときにも,「もっと学習しよう!」という意欲を引き出すために最も効果的な「妙薬」だと確信します。  第2点は,私のように教職に就いている者の特権かもしれませんが,フランス語やフランス語学習で得た知識を,仕事を始めとして,日常生活の中で活用する方法を考案し実践することです。そして,フランス語学習そのものを如何に楽しむかを考え,思いついた方法はその都度躊躇することなく実践することです。  中学数学の基礎を教えながら日々痛感していることですが,中世のフランスの様子がわかればわかるほど,より楽しく教授できるように思います。  例えば,確率論とパスカルの関係,パスカルとデカルトの関係,17世紀のフランスの状況特にブルボン家の様子,等々。  現在は,フランスに関する雑談をするために,わざわざ(?)生徒に声をかけることもあるほどです(笑)。  数学,フランス語に限らず,取り組むべき問題は,考えて,考えて,考えまくる。  これ以上は考えられないというほど考えまくった後に,真の答に到達する。  そうした体験をもとにすれば,一人一人が,自分にしか作れない最高の『方法序説』が作れるのではないでしょうか?  そして,自身の『方法序説』を磨こうという強い意志を持つ人は,あらゆる出会いの場で,脳味噌同士を徹底的にこすり合わせて徹底的に磨き合う貴重な経験を積めるのではないでしょうか?  仏検受検準備中は,新聞記事等の読解に重点を置くため,文学作品の読解まではなかなか手が回らないのが現実です。  しかし,フランス文学の(特に古典の)美しい表現を音読しながら心行くまで味わうことは,フランス語を学んだ者の一生涯有効な特権だと実感しております。  この特権を活かさない手はありません!

 最後に…。  合格者という立場だからこそ言えることなのかもしれませんが,自身のように,留学経験ゼロ,(準1級2次面接対策以外は)語学学校通学時間ゼロという仏文科以外の学科卒の受検生にも,独学で合格するための道は開かれていると確信しています。  合格までかなりの時間を要しましたが,フランス語の独学を継続することで,フランス語そのものに対する知識のみならず,「どうすれば躓くのか? その後,どうすれば再び立ち上がれるのか?」という問題に対する解答までも手にしました。  これは,自身の一生の宝です。  この宝を,仏検1級合格後も磨き続けております。  長々と書き連ねましたが,自身の体験が,少しでも受検生の方々の参考になればと思います。  仏検1級受検生の皆様の合格を心より祈念致します。  合格後,ALFIにてお会いできることを心よりお待ち申し上げます。

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